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鉄スクラップ業者の平成商会(本社=大阪市大正区、柳隆一社長)はこのほど、コベルコ建機のマルチ解体機を1台導入した。同機の導入は同社初で、特注のエレキャブ仕様は国内でも保有企業が少ない希少車。処理困難物や大型のガス切り材の前処理に活用し、作業者の負担軽減や解体効率の向上などを図る。新規参入を計画する産業廃棄物の中間処理業に向けた先行投資としても位置付ける。投資額は3500万円。
導入した重機は、23㌧級の「SK235SRD―5」。車体前方には、上下・左右方向から解体物を押さえ、挟み込める開閉式のクランプブームを装備し、フロントアタッチメントは電線・ハーネスや異物の除去、薄物の切断などが可能なニブラ―を搭載する。様々な形状や高さの解体物に対応するためエレキャブ仕様とし、運転者の目線高さは4㍍以上を確保する。
これまで、産業機械や電気設備をはじめ処理困難物やガス切り材を入荷した際は、全て手作業で前処理していたため、鉄以外の非鉄や樹脂などの異物除去に時間を要し、露天作業のため夏季や雨天は作業者の負担が大きく、作業効率も低下していた。柳社長は「今回の導入で作業者の安全を確保した上で効率よく作業できるようになった」とし、スクラップの品質向上にも期待を寄せる。
同社は創業以来、中古車解体や雑品の輸出入、鉄スクラップなど時代の変化に応じて事業を多角化しノウハウを蓄積し、足元は集荷競争が激化する鉄スクラップ業界で同業他社との差別化を図るため、新事業として中間処理業の許可取得を目指している。将来的には小型破砕機の導入も視野に入れ、これまで培った入出荷先や選別・解体のノウハウを最大限発揮する考え。
人材育成や働き方改革にも取り組んでおり、今年6月には従業員のワークライフバランスの充実を図るためシフト制による完全週休二日制を導入し、給与体系を日給月給制から月給制に移行。対外的にはオリックス・バッファローズのスポンサーを務めるなど福利厚生や社会貢献にも積極的に取り組んでいる「勤務体系の変更で求人の募集件数が大きく増えた。今後も採用活動を続け、5人増員する」(同)。